俺はお前が欲しいだけの、ただのずるい男だ大正浪漫あふれる東京市。伊賀の少年は甲賀忍者の花嫁になった──「妻らしく、旦那さまと呼べ」華やかな大正時代の片隅で、甦りの秘術を持つ伊賀忍者の晶は、忍者犬のシンシャとひっそりと暮らしてきた。ある日突然攫われ、甲賀忍者の棟梁・虎目の花嫁にされてしまう。どうやら狙いは晶の秘術で、心身から交わることで術は虎目に転写されるらしい。はじめは反発しかなかったが、与えられる不器用な優しさに孤独がほぐされ、虎目の傍こそが自分の居場所だと思えるように。ところが、虎目が甦らせたいのは彼の想い人だと知り!?
シャレード文庫