父王に虐げられ、城の北翼で近衛隊と暮らすギゼラ。隊長のエリアスは無口だが、厚い忠誠心から主君賛美を滔々と語りだす癖がある。その饒舌さに隊員達とあきれる毎日は幸せだった。しかしある日、ギゼラに政略結婚の王命が下るとエリアスの様子に変化が。「一度でいい。あなたに触れさせてください」思いつめた眼差しを拒み切れず──。一夜が明け、目を覚ますとエリアスは姿を消していた。そして彼を探す中で、ギゼラはある衝撃的な真実を知り……。
ソーニャ文庫