蒼井ナツシには幼い頃から好きな人がいる。けれど、その気持ちをナツシはずっと秘密にしていた。何故ならその女性は、一回り近く年上で、幼い頃から知っているお姉さんで、今は一緒に暮らしていて、何より、兄である陽の恋人だったから。そんな複雑な気持ちを抱えたまま、月日は過ぎていき──。「なんで死んじゃったんだよ、陽兄ぃ……」もう三人で仲良く遊んだ夏は訪れることはない。それでも再び夏は来る。決して忘れられない、新しい夏が。
HJ文庫