十代にしか罹らず、左目が紫色になり次第に死に至る病≪ヴァイオレット・アイ≫。この原因不明の病で親友を亡くした高二の咲織(さおり)は、親友の気持ちを知るため≪ヴァイオレット・アイ≫を詐病し、学校で孤立する。ある日の帰り道、問題児だと思っていた同じクラスの男子・啓二(けいじ)に声をかけられ、それをきっかけに少しずつお互いを知っていくふたり。だが、文化祭当日、いきなり啓二が倒れ──。現実に抗うため、向き合うために、私たちは嘘をつく。不治の病と闘う高校生たちの結末は──?十代を生きた誰もが心揺さぶられる、千葉を舞台に贈る、友情と恋愛の青春ストーリー。
ことのは文庫