「家族揃って昔のように仲良く暮らすこと」母は条件と共に高額な遺産を家族に遺していた。会社が倒産し途方に暮れていた英司だけでなく、兄・祥一、弟・斎、父・正太郎も皆それぞれに金を欲していた。かくして疎遠になっていた家族が一つ屋根の下で暮らすことになったが、濃すぎる血のせいか、英司は歪な愛に呑み込まれていく。祥一の意地悪な愛撫、斎の行き過ぎた執着、正太郎の成熟した色香――蝕むように英司は翻弄されて……。
シャレード文庫