金木犀の花が咲く頃、必ず見る夢がある。和奏は大切に抱き締めてくれるその人のことをいつしか「王子様」だと思い、現実でも会いたいと願ってきた。一人暮らしを始めた和奏は、偶然出会ったカフェオーナー・小野坂を一目惚れの勢いで好きになってしまう。この人こそが、と思い定めるが、彼には金木犀の季節に探し続ける忘れられない人がいて──。
ルチル文庫