コルマンド王国から海を隔てた小さな島。その島で診療所を営むモンフィス家では、双子が誕生すると必ず男児に特別な力が宿る──。自らの体力と引き換えに病や傷を治す“エクラの力”を持って生まれたリュカ・モンフィスの夢は、たくさんの人々を癒やしてあげること。17の年、リュカは反対を押し切り家出同然で本土へ渡る。しかし、希望を抱いて訪れた土地では、誰かを癒やしてあげるどころか日々の暮らしで精一杯だった。そんな時、アルという王族に仕える騎士の青年に出会う。リュカにとって、快活で行動力のあるアルは魅力的だった。そんなアルとの貴重な時間を重ねていた矢先、リュカの能力を知った宿主夫婦に監禁され、無理矢理力を使わされてしまう。さらに、万能だと思っていた能力には限界があり、リュカは次第に力を使うことが怖くなってしまい──?
リンクスロマンス