世界的に有名なショコラティエ・氷見湊は、祖父が所有していたビルを相続するため京都を訪れた。古都の一角にあるレトロな雑居ビルは、湊にとって思い出深い場所。実は湊は九歳の夏、このビルで不思議な体験をしていた。古風なエレベーターの蛇腹扉を開けると、そこはエーアトベーレン王国という異世界に通じるのだ。湊はここで、異世界からやってきたリートというライオンの獣人の少年と輝かしい夏を過ごした。突然の別れから20年、再びビルを訪れた湊は偶然リートと再会する。しかし、昔の無邪気さを失ったリートは湊との再会を喜ぶことなく、どこか突き放す態度を崩さない。さらに、国王になっていたリートはある重大な問題を抱えていて……?
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