歴史古き芦原の王が、歓楽の都の蝶として堕ちた夜──風俗都市に送り込まれた王の璉歌。都市を統べる男に仕込まれ、数多の男たちを受け入れ、最も淫らな娼妓として君臨していく…。通称「風俗都市」メトシェラ。芦原の王・璉歌は自国の和平のためこの地に迎えられた。都市を統べるウルナスはかつて淡い想いを寄せた相手。しかし今やその関係は支配人と娼妓。ウルナスに破瓜されると、璉歌は王弟キルシュをはじめとする太客たちに供されるように。切なる思いとは裏腹に、どんな行為でも受け入れ、悦びを得ていく璉歌の肉体…。これは男たちの欲望を注がれながら、誇りと秘めたる想いを失わなかった気高き花の物語──。
シャレード文庫