牙獣と呼ばれるあやかしを操り、人々に害をなす幽鬼を祓う、白牙法師を目指して修行の旅をする刻雨(ときさめ)。ある晩、踏み入れた山中で巨大な幽鬼に喰われかけた彼は、ひとりの青年に命を救われる。自らを萬景王であると名乗るこの青年は、しかし、顔を持たぬ異形の鬼と化していた──。国を案ずる名もなき王。神に祟られた禁忌の子。ふたりの邂逅の先にあるものとは。絆によって導かれたふたりが、新たな運命を切り開く!陰謀渦巻く小国を舞台に綴られる、予測不能の和風ファンタジー!
ことのは文庫