南北戦争直前のアメリカ南部。奴隷のケイラは差別の横行する南部社会に嫌悪感を抱き文字の世界に閉じこもるキャシーお嬢様に仕えている。不自由で屈辱的ではあるが安定した日々に埋もれていたある日、奴隷解放主義者たちからなる組織「地下鉄道」の末端から声をかけられる。先んじて南部から逃亡した家族が待つオンタリオへ向かう準備をせよ、と伝えられたケイラは──。
百合文芸小説コンテスト