イタリア・トリノに留学している月季は、夏に友人と訪れた郊外の山中で吸血鬼の女・ローゼイに出会う。月季は警戒しつつも、このヒトならざる存在と友人になり、やがて定期的にローゼイに血を分け与える関係になる。幼いうちに死んだ姉の代わりとして母に育てられたと感じていた月季は、自分という存在に実感が持てずにいた。そんな自分の血を唯一無二と言うローゼイに、月季は次第に心を動かされていく。
百合文芸小説コンテスト