大奥で唯一のお役目である「御幽筆」として亡霊騒ぎを調査する里沙のもとへ、毎晩うなされる友を心配する女中から依頼が持ち込まれる。さっそく亡霊の仕業ではないかと調査を始める里沙。だがその傍らにはあらたな亡霊の姿が……。人と亡霊、生者と死者。けして交わることのないそれぞれの想いが、霊視の力で綴られた里沙の手紙によって交錯する時、彼女は親友のお松に隠されたある想いを知ることになる──。大奥を舞台に女中たちの友情を綴る、彷徨える亡霊の魂を救う感涙の歴史ファンタジー!
ことのは文庫