ホストの玲弥が飢えた野良犬に餌をやった数日後、突然怪しい男が自宅に押しかけてきた。頭の上にふたつの尖った耳、尻には三つ股にわかれたしっぽがはえているその男は、礼をしにきてやった、と偉そうに言った。先日犬だと思い込んで助けたのは、稲荷明神の使いの狐だったのだ。信じられず混乱する玲弥は、いきなり狐に押し倒されてしまい──。
プリズム文庫