北川巽は男手ひとつで育てていた娘を保育園のバス事故で失った。罪悪感に苦しむ保育士の氏家志信を無理やり抱くことで、底なしの絶望と孤独から逃れようとする北川。彼を恐れながらも、償うため身体を差し出す氏家。やがて北川は氏家の生真面目さや優しさを愛しく思うようになるが、彼は頑なな態度を崩さない。氏家には、結婚を決めた女性がいた。二ヶ月後、彼女が海外から戻ったら氏家を解放してやろうと北川は決意するが――。
ショコラ文庫