空腹のあまり永い眠りから覚めた神狐の森羅は、自分が守る東条家の主の不信心のせいで、このままでは己が消えてしまうと知る。これからも守り神としての役目を果たすために森羅が決意したのは、当主の孝章の心に信仰心を取り戻させることだ。けれど、孝章は一筋縄ではいかない強敵で、夢枕に立ち不信心を説いた森羅を、「猫にコスプレした少年に説教される夢」として片づけてしまい──。
プリズム文庫