プロのフルート奏者を目指す連音は、アルヴァンス国の王立音楽学院の奨学生となり寮生活を送っていた。フルートの練習をしている時に、この学院を卒業した王子・ルフィードと出会い、学院初の日本人の奨学生ということで王子に興味を持たれて話をすることに。さらに王子の兄の奥さん・奈津香が日本人ということもあって、話し相手になってくれないかと王宮に呼ばれるようになる。絢爛な王宮でのお茶会や、奈津香の3歳になる子、リアムのお世話など夢のように過ぎていく留学生活。だが、連音は自分のフルートの腕前に自信が持てないままでいた。そんな時ルフィードのピアノに合わせてフルートを奏でてみると、いつもと違い楽しんで演奏できるように。こんな美しい調べと一緒にまたフルートを吹くことができたなら──。そんな想いとともにルフィードとの距離が縮まっていって……。
ルチル文庫