パン職人としての師匠でもある祖父の訃報を受け、和海は修行先のフランスから急遽帰国の途に就いた。悲しみに暮れる和海に「祖父の店を買取した」と非情にも告げるのは、昔なじみで和海が仄かに想いを寄せていた実業家・西条だった。強引なやり方に反発する和海だったが、かつてのように近い距離にいてくれる彼に募る恋心は止め処もなくて……。
ルチル文庫