「お前の精気はひどく甘いな。生贄の素質がある」龍神の蘇芳に気に入られ、眷属の金魚たちとともにお世話をすることになった八千穂。我儘な蘇芳だが、その優しさは八千穂を癒やすものばかり。疲れきっていた心が甘く蕩かされていく。だが、八千穂が蔵元を継いだ龍之川酒造の湧水は、かつて龍王が授けた鱗によるものらしく、蘇芳はその鱗を持ち帰らねばならないという。鱗が見つからなければ八千穂が代わりに生贄になるしかなくて!?
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