子爵令嬢の小早川環は、父の借金のせいで没落し、遊郭に売られてしまう。初客として現れたのは、かつての下男で、初恋相手でもある相馬圭吾だった。今や実業家として成功した彼は、大金を支払い環を身請けする。だがそれは、妻や愛人にするためではなく、環にふさわしい伴侶を見つけるためだという。昔のように「姫様」と呼び、嬉々として下僕のようにふるまう相馬。縮まぬ距離に傷つく環だが、深夜の浴室で、己に向けられる変質的な欲望を目の当たりにし──!?
ソーニャ文庫