もう逃がしてはあげられない──。呉服店に奉公している雪子は、同じ奉公人の蓮治に切ない恋心を抱いていた。蓮治は雪子を妹のように可愛がってくれるが、彼の目に大人の女性として映らないことがもどかしく恋心は募っていくばかり。毎夜、悍ましい夢に悩まされるようになった雪子は不眠で体調を崩してしまう。日中も夢に似た不穏な気配を感じて怯える雪子を支えてくれたのは蓮治だった。あるきっかけから共寝するようになった二人は、淫らなふれあいを求めるようになり……。
ソーニャ文庫