耳と尻尾をもって生まれ、狗神の呪いだと両親にも見捨てられた鈴が出会ったのは、6歳年上の改。鈴の耳を気持ち悪いと言わず、初めて優しくしてくれた人……。鈴は、改の訪れを楽しみにして、宝物のような思い出を増やしていくが、改の留学により二人は引き離されてしまう。もうすぐ二十歳を迎えようとしていたある日、屋敷にひとり残された鈴を迎えに来たのは、子供のころに出会った改で──。
ルチル文庫