菫の姫を殺すまで
菫の姫を殺すまで
著者:王月よう
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作品紹介

ある女学校の高等科では、「菫の姫」と呼ばれ学園中の憧れを集める女生徒がいた。
しかし、少女たちの憧れが過熱し崇拝へと変わりゆくなかで、「菫の姫」は突如としてその命を失ってしまう。
残された少女たちは深い哀しみの果てに「自分こそがもっとも菫の姫に愛されていた」と互いに主張し始めるが、
次第にその想いは歪んでいき、やがて狂乱した一人が「己の手で菫の姫を殺害した」と証言したことをきっかけに、他の少女たちも連鎖的に「私こそが菫の姫を殺した」と虚偽の供述を口にし始める。
女学校の閉じた世界に次々と生み出されていく「菫の姫」の殺害証言。
少女たちはさまざまに「菫の姫」との記憶を創り上げ、その殺害について語るが、その中にひとつとして真実はなく、
ただ「菫の姫」に向けられた強い愛と執着だけが浮き彫りになるのみである。
学園で唯一「菫の姫」を崇拝していなかった少女は、学園の狂気から親友を救うため、少女たちの証言を記した調書を紐解き始める。少女はどれほどの調書を目にしても「菫の姫」の魔性にあてられなかったが、親友の調書を読んだことをきっかけに錯乱し、ついには自らも「菫の姫」の信奉者になってしまう。そこに至るまでの手記と、狂乱した少女たちの証言調書の形を借りた、奇妙な百合虚言オムニバス。

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『菫の姫を殺すまで』