大学生の若公士貴は容姿端麗、頭脳明晰、家はお金持ちで「王子」とあだ名されるのも納得のα。だから家族から感じる疎外感なんて勝手なひがみでしかなく、この先も幸福な毎日がずっと続いていく。そう思うしかない日々に出会ったのが同じ大学の卒業生、伊王野だった。現在32才、自ら興した会社で20代でビリオネアとなった有名な経営者でαだった。同じαのはずなのに、自分と伊王野ではあまりに違う。まだ何者でもない自分というコンプレックスを刺激される士貴だったが、ある日酔った勢いで一夜の過ちをおかしてしまう。αなのに士貴は伊王野に抱かれたのだ。そして「婚約しないか」と突然言われて戸惑うが──。
ルチル文庫