人ならざるものを視るせいで忌避されて育った凪。唯一の味方だった祖母を亡くして久しく、明日の行方も見えないある時──馴染みの子狐たちに導かれて辿り着いたのは、現世と幽世の狭間に建つ宿屋《ゆわい》。その主である鬼・時雨に、幼い凪は命を救われたらしい。いきなり「伴侶に」と求められるが、時雨はひたすら凪を甘やかすばかりで……?
ルチル文庫