大学生の凛弥は、ある日吉祥寺のハモニカ横丁で「ベーカリー・ソルシエール」というパン屋を見つける。ほんのり甘苦いミルクティーブリオッシュや、カリカリのカレーパンの魅力的な香りに誘われ思わず中に入ると、透明感のある綺麗な店主・加賀見が接客をしていた。加賀見はお客さんの悩みを何でも解決してしまう、巷で噂の「パン屋の魔女」だった。そんな魔女との出会いから、二人の周りで起こる日常の謎を一緒に追うことになる──。「ベーカリー・ソルシエール」で巻き起こる、吉祥寺の謎とあたたかい人との繋がりの物語。
ことのは文庫