この世ならざる場所を駆ける『星屑鉄道』は、悩める人の前にふと現れる。その「食堂車」で提供されるのは、きらきらと輝く「鉱石スイーツ」だ。この列車の車掌は、底抜けに明るく人間が大好きな「死神」。スイーツを作るのは、人間の助けになりたい物憂げな「堕天使」。二人のもとに鉱石を運ぶのは、幼い見た目だが尊大な「賢者」。この風変わりな彼らと、きらめくスイーツが、「乗客たち」を「ふたたび前を向いて生きる」方向へと導いていく──。
ことのは文庫