さびれた商店街の一角にある総菜屋「ふじの」の店主・恵麻は、亡き祖母の味を守るため、赤字続きでも細々と営業を続けていた。ある日、店の前で倒れているもふもふな生き物を発見する。その生き物は、自分はこの町の神様だと言う。たぬきの神様・きぬ様は、町の住人からのお供え物もなく毎日お腹を空かせていた。やたら食い意地の張った神様を介抱すると、きぬ様は「お礼に店を繁盛させてやる」と言い、繁盛の“匂い”を探り始める──。がんばる女子と、幸せを呼ぶもふもふ神様ののどかで美味しいストーリー。
ことのは文庫