地方鉄道会社、日本海電気鐵道――通称かいでんに鳴り物入りで入社した朝霞は同僚たちから嫉妬混じりに「東大クン」と呼ばれ居心地悪い毎日。人の機微には疎くても何より鉄道が好きなのに……。そこへ声をかけてきたのは運輸部の運転士・市川。あまりのイケメンぶりにまるで接点を見いだせない朝霞だったが、一人はさみしいからと部屋に上がり込まれ、連日鍋をする羽目に。「俺とつきあう?」口調の軽さとは裏腹に、問う眼差しは真剣で……。
シャレード文庫