元ピアニストの透琉がバーで出会ったのは、自己流のピアノを心から楽しそうに披露する男――。役者だという拓真からピアノへの愛惜と鬱屈を言い当てられ、泣く事を許されるままに身体を重ねてしまった。一夜の過ちにして忘れようとする透琉を、しかし思いがけぬ再会が待ち受ける。拓真は躊躇う透琉の手を優しく強引に取り、舞台へと導いて……?
ルチル文庫