槙野川男爵家に仕える秋成は憤慨していた。令嬢・房子はまだ9歳なのに成金商人の嵐山家に嫁ぐことになったからだ。槙野川家の借金を肩代わりするから結婚で爵位をよこせという成金根性がまず気に入らなかった。場合によっては破談させる勢いで乗り込んだ秋成だったが、嵐山の息子・春蔵は見た目は驚くようないい男。しかも9歳の娘とは想定外だったと非礼を詫びてきた。だが明日の婚約パーティをどうしようかと大慌て。女装映えしそうな秋成に婚約者のフリをしてくれないかと頼んできた。身勝手な春蔵に怒りながらも仮初の婚約指輪が秋成の指からとれなくなったりして!?
ルチル文庫