「人が暮らす家」を作りたくて建築を志したのに、施設育ちの自分は家庭を知らない。壁にぶつかっていた大学生の綾斗が出会ったのは、夜も更け、大急ぎで息子を保育園へ迎えに来たスーツ姿のお父さんだった。仲のいい父子に導かれるようにして、綾斗はその保育園で就業体験をさせてもらうことに。「あや先生」としてあのときのお父さん・都倉と再会、激務の傍らひとり懸命に息子の凜を育てる彼を、誰よりいとしく思うようになり……?
ルチル文庫