貧乏没落貴族の紅玉院清伊は、舞姫として参内した御所で蒼玉宮光雅に攫われてしまう。四天王家筆頭蒼玉宮家一の君にして文武両道、面差しも凜々しく美しい龍帝の覚えもめでたき蒼龍の君。帰さぬよ。そなたがわたしとの約束を思い出すまで――覚えのない約束を口実に心底楽しそうに人を幽閉する光雅。さらには清伊が幼い頃になくした宝珠を突きつけてきて……。紅龍の宝珠、それは清伊が龍帝の后たりえる証。言い知れぬ不安を抱きながらも、清伊は光雅の腕の中、初めて与えられる熱にいつしか……
シャレード文庫