元刑事・山下響一は、高校時代の友人・甲斐がヤクザの若頭であることから、癒着を疑われ警察を辞め、今は探偵事務所を開いている。ある日、「夫の愛人が男のようだ」という妻の依頼で浮気相手を調べた響一は、それが学生時代セフレだった吉野薫とわかり愕然とする。調査中だったが、つい声をかけてしまった響一に、薫もまた驚くが再会を喜ぶ。大学一年のとき、サークルの飲み会で出会った薫とは偶然同じアパートだった。そして酔った勢いで関係を持ってしまい、それから三ヶ月ほど経ったある日、『親が危篤らしい』というメモを残し薫はアパートを引き払い、大学をも辞め、自分の前から消えてしまったのだ。思いがけぬ再会で、また関係を持ってしまう響一。そんな折、調査対象の夫が何者かに殺害され、妻は愛人である薫が怪しいと騒ぎ……!?
ルチル文庫