絵を描くことと義兄以外にあまり関心の向かない大学生の晴弥は、ある日、心酔する義兄との間でトラブルが起こり鍵を投げつけ逃走、居合わせた義兄の幼馴染みで親友の桔平に諭されるものの、晴弥はアトリエとして使用しているアパートに引きこもり、絵を描くことに没頭する。やがて食事も疎かにしていたのを見咎められ、桔平と同居することになった晴弥。意地悪で、敵だと認識していた桔平との生活が思いのほか穏やかなことに驚くと同時に、桔平自身についてあまり知らないことに気づく。嫌い合っていた「はず」の二人の関係にだんだんと変化が……?
ルチル文庫