本当は──ずっと、一生おまえといられたらって、思ってたよユキはユキヒョウの耳と尻尾を持つ神さま。一緒に暮らすウルマスが大好きなのに、彼はユキを神さまのもとへ返そうと提案してきて……!?人好きな雪の神たちは、眷属であるユキヒョウの姿を取って山を降りてくる──。山奥の村に住むウルマスは幼い雪神の子供を拾い連れ帰る。ユキと名づけられ、村人たちに崇め慈しまれて育ち、ユキはいつしかウルマスに恋心を抱くようになっていた。ところが――「ユキが大人になったから、約束はもう終わりだ。神様の国に帰ってくれていい」。ウルマスはユキを育てる代わりに、雪神から村に恩恵を受けていたのだ。愛情いっぱいに育ててくれたウルマス。変わらぬ一途な想いのまま、ユキはある覚悟を持って神の国を去るのだが……。
シャレード文庫