「そなたは俺を困らせる天才だな」幽鬼の国を統べる月華は『夜叉王』と呼ばれ、恐れられている。そんな彼の元へ同盟を結ぶための“貢ぎ物花嫁”として、イーシン国の美姫・春蘭が贈られてきた。悪鬼とも化け物とも噂される彼を春蘭は恐れず、ただ無邪気に花が綻ぶような笑みを向けてくる。自分のような男なんかに……と怯むが彼女を突き放すこともできない。実は二人ともある理由からお互いの為人を知る機会があり、密かに想いを募らせているのだが、初心すぎてなかなか進展しなくて……。
ソーニャ文庫