両親を亡くし、厳しい叔母と二人で暮らす大学生の蒼天は、バイト先のコンビニで必ずおにぎり一個だけを購入していく常連を「おにぎりさん」と呼んでいた。ある雨の日、落とし物をした蒼天は同じく探し物をしていた「おにぎりさん」と偶然鉢合わせる。傘や着替えを貸そうと気遣ってくれた言葉に甘え「おにぎりさん」こと前里の家を訪れてから交流が増えた二人。親しくしてもなぜか嫌われ、周囲から侮られることの多い蒼天は前里にだけは嫌われたくないと思うようになるが……?
ルチル文庫