『親友・千尋へ。もし俺の身に何かあったら、この手紙を渡して欲しい』真琴と千尋が契約夫婦として、鎌倉の「あやかし屋敷」で過ごす初めての冬。一通の、宛先不明の手紙が見つかった。それは千尋の亡き親友で、この屋敷の元所有者・遠原の書いた「遺言」だった。渡し主のわからないこの手紙と、あやかしに深くかかわる事件が、不器用に育まれつつあった夫婦二人の絆を大きく揺るがすことに──!?これは、想いの伴わない「契約が」、かけがえのない「約束」へと変わっていく物語。
ことのは文庫