犬しか愛せないし欲情できないという性癖を隠して地味に生きる片貝は、会社帰りに迷い犬を捜す怪しい探偵・赤羽根に出会い、犬の保護を手伝う。数日後、どういうわけか片貝は赤羽根の事務所に出向を言い渡され、いわくありげな〈犬捜し〉を手伝うことになっていた。赤羽根はモデル並みの容貌のくせに物好きにも片貝を口説いてくる。犬以外に好かれても迷惑だったが、赤羽根の琥珀色の瞳はなぜか、かつて恋した飼い犬を思い出させ――。
ショコラ文庫