アネハヅルの国の一つ〈氷晶国〉の若き王・雲英は、ある目的のため身分を隠し、ヒマラヤを越える“渡り”に生まれて初めて参加した。群れを指揮する隊長は、アネハヅルには珍しい漆黒の髪と翼を持つ天青。自分は優秀だと信じていた雲英に対し、天青は「チビ」「飛ぶのが下手」と容赦がない。反発する雲英だったが、野営や集団生活に慣れない自分をいつも当然のように助けてくれるのは天青でーー。
ショコラ文庫