家族を惨殺され、復讐の鬼と化した亡国の王子ルシアノ。悪の限りを尽くし、ついには敵国の女王アラナのもとにたどり着く。だが彼女は命乞いをするどころか、自身の死を願っていた。興を削がれたルシアノは、強引にアラナを抱き、苦しませようとする。しかし、ともに過ごすうち、憎しみは執着へと変わり、彼女との未来を望むようになり……。彼女を生かすのは復讐のため。そう言い訳をしつつアラナに溺れるルシアノだが、彼女は依然として死を望んでいて……。
ソーニャ文庫