閉ざされた世界で生きるミースは、ある日、ヨナシュという冷たい目をした男に攫われる。人違いでの誘拐だったが、悪意を知らないミースにとっては、未知と出会う冒険の旅となっていた。一方ヨナシュは、人質の人懐こさを怪訝に思いつつも無下にはできず、逃亡の旅を続けてしまう。特殊な環境で育ったふたりは、芽生えた想いの名を知らぬまま、心を通わせ、次第に離れられなくなってゆく。だが、その旅は許されるものではなく、国を揺るがす事態に発展し……?
ソーニャ文庫