南州の新興貴族ラント家の三女マリーナは細密画と香水の調香が得意な十七歳。黒髪黒目の家族の中で異なる容姿を持つ自分に劣等感を持っていたが、適齢期の双子の姉たちを差し置いて、大貴族コーエン旧大公家の跡継ぎレオンの婚約者として北州に滞在することになってしまう。文化と風土の違いはもとより、初対面からマリーナに執心している様子のレオンが恐ろしく、必死に嫌われ作戦を試みるのだが…。
ハニー文庫