羊飼いのニナは、行き倒れたところを国境警備兵のアルベルトに救われる。精悍で奢らない優しさを持った彼は、実はわけありの王都の騎士らしい。彼の元に身を寄せ、字を習い、辺境の慰めに羊の歌を歌う時間は、ニナにとってかけがえのないものとなっていく。でも彼はいつか王都に帰る。離ればなれになったら二度と会えない。一瞬でも彼の心を惹きたくて、ニナは聞きかじった「夜伽」を試みることに……。
ハニー文庫