アンナとゾーイ
アンナとゾーイ
著者:蚕豆かいこ
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作品紹介

舞台は1968年のアメリカ。アンナはレイプされて生まれた子として蔑まれてきた。娼婦として各州を転々とする日々を送っていたある日、アンナはレイプされてしまう。被害を訴えるも、犯人たちは無罪を勝ち取る。納得できないアンナは銃を購入し、犯人たちを射殺する。追われる身となったアンナはたまたま見かけた家に住む黒人の少女、ゾーイを人質に逃避行をはじめる。ゾーイは母親によってあらゆる娯楽から切り離された環境で育った子だった。はからずも外の世界に連れ出されることになったゾーイは目にするものすべてに感激し、急速に成長していく。ついにはゾーイはアンナのメキシコへの逃避行に積極的に手を貸すようになる。だが捜査と追跡の手は確実に迫っていた。包囲されたアンナはゾーイを人質にたてこもる。そしてゾーイの母親に解放の条件として「クリスマスは毎年ちゃんと祝うこと」と突きつける。ゾーイを解放したアンナは拘束され、裁判の結果死刑が言い渡される。1982年、アンナは薬物注射で処刑された。だが致死量の麻酔薬を注射されていたにもかかわらず、彼女はうわごとで「ああ、ゾーイ、どうして」とつぶやいた。同時刻、ゾーイは自宅で銃を使って自殺していたのだった。

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『アンナとゾーイ』